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GHOST WORLD

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GHOST WORLD(ゴースト・ワールド)

女の子のお話です。だいすきな映画です。
私は、バスがとてもすきなのです。
電車でも車でも飛行機でもUFOでもなく、バスとバス停がなぜだかとてもすきなのです。

主人公のイーニドと、もう廃線になったバス停で、来ないバスを待ち続けているおじいさんとは、なんの関係もありません。
だけど、イーニドはそのおじいさんを心の拠り所にしていました。

いろんなことが起こって、どうすればいいかも、どうしたいのかも分からなくなったイーニドは、そのバス停に行って、来ないはずのバスに乗ってどこかに行ってしまいます。

ゴーストワールドを抜け出したのか、ゴーストワールドに行ってしまったかどっちか分かりません。

だけど、これがバス停で、そしてバスで良かったなあ
駅とか、空港とか、タクシー乗り場じゃなく、バスで良かった。

あたしがもしいなくなったら、「あいつは風になっちまったんだ・・」とかじゃなくて、「あいつはバスに乗って素敵世界へ行っちまったんだ・・」と誰かにつぶやいてほしいです。

おしまい
# by gogoglasgow55 | 2009-03-03 02:19 | Film

PARIS,TEXAS

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PARIS,TEXAS

この映画は、私は最初パリとテキサスのお話なんだあ。とおもって観ましたが、違いました。
TEXASにある、PARISという地名でした。

このお話の主人公の男のひとは、私はあまりすきではないけれど、回想シーンに出てくる若い頃の女のひとがとてもきれいで、とにかくきれいで、そこのシーンがとてもすきです。

日常なんだけど、どこか現実離れしていて、なんだか不思議な感じです。

でももしかしたら、この世界もおんなじなのかしら。とおもいました。
写真やビデオに映ってる自分たちを観て、とてもとても楽しそうに笑っていて、けれどきっとそのときも大なり小なりの悩みがあったりしたんだろうけど、今観ると、ただひたすら楽しそうで、幸せそうで、美しく見えます。
今もおんなじかもしれないのに。

もしかしたら、きっとそれがこの世界の仕組みなのかしら

おしまい
# by gogoglasgow55 | 2009-03-01 02:02 | Film

Kes

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Kes(ケス)

すごくだいすきな映画です。
この映画の監督はケン・ローチさんといって、私はこのひとの映画がなんだかすごくすきなのです。
といっても、このひとの映画はそんなにハッピーなものは多くはなくて、大体暗いし、そんなに盛り上がったりするシーンもなく、淡々とお話が進んでいくものが多いかと思います。
それでも、淡々と進むお話と、きれいなだけじゃなく、人間の汚い部分もいやらしい部分もちゃんと描かれていて、なんだかそんな登場人物たちが、とても美しく見えます。
涙を流したり、笑ったりすることはあまりないけれど、なんだか心になにかが残ります。

この映画は、少年とハヤブサのお話なのです。
やっぱり淡々としていて、そしてすごく救われない結末なのです。
そして日本では、まさかのVHSのみです。

完全なるうろ覚えだけど、誰かが少年に、
「ハヤブサを飼いならせるなんてすごいな。」
みたいなことを言うのですが、少年は、
「ハヤブサは飼いならすことなんてできない。僕はその姿を、見せてもらってるんだ。ハヤブサは、絶対にひとに服従しない。だからすきなんだ。」
みたいなことを答えるのですが、私はこのシーンがすごくすきです。
それ以来、ハヤブサがだいすきになりました。
かっこよくて、誰にも媚びなくて、強くて、唯一無二。
なんだかとても美しいとおもいました。

おしまい
# by gogoglasgow55 | 2009-02-28 02:36 | Film

Nursery Rhymes,Animation And Fever

下がりかけていた熱が、昨日からまた上がり続けてしまい、すっかりと風邪ひきさんに逆もどりしてしまいました

なーんにもできない

ふらふらしている頭を、平熱で清々しく、それはもう美しい記憶がたーくさん詰まっていて、チェコ語もまでも話せちゃう脳みそととりかえっこしたいとうずうずしながら、去年一生懸命覚えたNursery Rhymesを自分の子守唄にしようと口ずさんでみました

意外にも覚えているものなのだなあ

My mother has killed me,
My father is eating me,
My brothers and sisters sit under the table,
Picking up bury them under the cold marble stones.

お母さんが私を殺した
お父さんは私を食べている
兄弟と姉妹はテーブルの下に座って
冷たい大理石の下に私を埋めるのさ

Solomon Grundy,
Born on a Monday,
Christened on Tuesday,
Married on Wednesday,
Took ill on Thursday,
Worse on Friday,
Died on Saturday,
Buried on Sunday.
This is the end
Of Solomon Grundy.

ソロモン・グランディ
月曜日に生まれて
火曜日に洗礼
水曜日に結婚
木曜日に発病
金曜日に悪化し
土曜日にはとうとう死んじゃった
日曜日には埋められて
これでおしまい
ソロモン・グランディ

変てこりんなうたばっかり
でもおもしろい
もっともっとたくさん覚えたいな

月曜日のお昼に発熱し
火曜日にはとても眠たいのに眠れない
水曜日に久しぶりにブログを書いたのに
木曜日は熱でしんどくもう書けない
金曜日はおとなしく
土曜日にアニメを見なくちゃね
日曜日には死んじゃった
これでおしまい
今日のあたし

誰かこの素敵な歌詞に素敵なメロディーをつけてくれたら嬉しいな
# by gogoglasgow55 | 2009-02-07 02:28 | Days

Uncle Wiggly in Connecticut

私には、とてもだいすきなお話があります。

J.D.サリンジャーが描いた物語「ナインストーリーズ」という短編集の中の、「コネティカットのひょこひょこおじさん」というお話です。
文字通り9つのお話があって、その中でこのお話をいちばんに持ってくるひとはとても少ないのだろうけど、私はこのお話がいちばんすきです。

エ!まさかそんなオチが!とか、そういった盛りあがりも特になく、主人公(?)の女のひとが、おうちに遊びに来た学生時代の友達と、学生時代のことを思い出しながら女の子のだいすきなおしゃべりをするのですが、私は、主人公の今は亡きその当時の恋人だったウォルトというひとがとてもだいすきです。
足首をくじいた主人公に、ウォルトが、「かわいそうなひょこひょこおじさん」と「足首」=ankleと「おじさん」=uncleをかけて言うのですが、なんだか、そんな空気感がとてもすきです。

私は英語圏で生まれ育ってないし、このお話も日本語訳で読んだし、このお話の時代に生まれてないし、日本語でこういったことを言われても、なんにもおもわないのかもしれません。
だけど、このお話を読んでいるときは、英語圏で育ち、このお話の時代に生きて、原作で読んでる気分になります。
なんだかよくわからなくなってしまったし、たぶんこのお話の読みどころはここじゃないとおもいますが、なんだかすきです。ウォルト。

ウォルトはそのあと戦争にいって、とても些細なことで死んでしまうのだけど、随分たった今でも、主人公はウォルトの話をしながら泣いていました。
他のひとはわからないけど、主人公だけは、ずっとずっとウォルトを忘れないでいるんだなあ。とおもいました。
死者を忘れないでいることだけが、そのひとにとって僕たちが唯一できることなんだ。
と、村上春樹さんが言ってたのを思い出しました。
ほんと、そのとおりだ。
誰になにを言われなくても、ウォルトはずっとずっと主人公の心の中にいることをおもうと、なんだか幸せな気分になります。

このお話を読むと、なぜか私はいつも泣いてしまいます。
理由は特にないのだけれど。

ウォルトは、このあとサリンジャーが「グラース家」の物語を描いていくのですが、彼もまたグラース家の一員です。

グラース家のひとたちは、みんなとても魅力的です。
高校生の頃、こぞって全部読んでしまいました。
ルーズソックスをはいてサリンジャーを読む私は、なかなか素敵なんじゃないかなとおもいました。

そうそう
今日は、サリンジャーをこぞって読んでた高校生を卒業して、次の年に出逢った、とてもだいすきな友達のお誕生日。
おめでとう。おめでとう。おめでとーーーーう。
その友達と出逢ったくらいに書いた日記が、この間いろいろ整理をしていたらでてきました。
その頃ヒステリックグラマーなどを好んで着ていた、調子に乗った私は、
「この世のなかはすべてがメッセージなんだから、目をそらさないで、耳を澄ませて、心をそらさないで。」
と書いていました。
若いって素敵だなあ
# by gogoglasgow55 | 2008-12-16 21:07 | Books